中村哲医師講演会 ―いま「平和を考える」-  その2

講演会当日は地元の中高生も沢山参加してくれていて、会場整理等のお手伝いに加え、質疑応答にも積極的に手を挙げてくれ時間が足りないほどでした。
中村医師ならではの大変含蓄のある、心に沁みるお答えばかりですので、少しご紹介しますね。

自らの生命の危険も顧みず続けてこられた理由は?
「命を預かっているという責任感・・・この土木工事(用水路)に何千人、何万人の命がかかっているというプレッシャー。そして善意の募金をしてくれた人たちへ自分がきついからやめるという訳にはいかないでしょう。日本人の誇りでしょうかね。」
“日本人の誇り”という言葉に思わず腰骨が立つ思いでした。

中村先生が現地で幸せを感じた時は?
「助かるだろうか?と思う人が助かったとき。本当に嬉しいですよ。」
その場の家族や周りの人々の喜びや安堵の光景が、眼に浮かぶようですね。

教育について、どうお考えでしょうか?
「人は教育を受けて高学歴になると都会へ行きたがり、汚い仕事を嫌うようになる。大切なことは、まず気立てが良いこと。偏差値が高くなったら気立てが良くなるか?物知りになれば気立てが良くなるか?人間として立派に生きて行くこと。そしてそれなりに社会に適応していくことが大事」
大切なのは気立て・・・本当にそうだなと思いながら、そのことに意識の薄かった自分を省みました。

教育はもちろん大切だけど、その盲点をついている。
生きて行く上で本当に大事なことは何か、先生は教えて下さっています。

その3へ続く