中村哲医師講演会 ―いま「平和を考える」-  その3

私たち学生が世界平和のために出来ることは?
「自分の身の周りが平和であること。いじめない。家族の中でギスギスした関係をつくらない。自分が平和な心を持つこと。身の周りのことから平和をつくって行くことが大切。」
世界平和というと何かとてつもなく大きなことのような気がしますが、自分の身の周りを良く出来なければ世界平和もない。“まずは身の回りから”肝に銘じたいと思います。

未来ある中高生たちが一般の参加者と共に、一所懸命に質問してくれる姿、とても嬉しかったですね~。

現地では自ら土木工事用の重機を動かし「最近は医療より井戸堀りが専門です」と笑わせる中村先生。
「アフガンの人たちの願いは二つだけ。1日3回食べられることと自分の故郷で家族と一緒に暮らせること。人情に厚く義理堅いし、老人が大切にされ歳とるだけで尊敬される文化がある。・・・今、私たちにとって本当に必要なものは?そう必要でないものは?」

そう、私たちはそう必要でないことまでも望み、結果そのことに縛られて暮らし、不必要な悩みや葛藤、時には争いまでも生み出しているのかも知れません。
歳とるだけで尊敬される・・・なんて素晴らしい!けれど残念ながら今の日本には足りない部分でしょう。
しかし、今は足りなくても本当の豊かさを育める源になって行きたい、としみじみ思ったものです。

先生の著書の中に「私たちが己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足る」とあります。最後に言われた「自然と人間がいかに折り合っていくか?」の答えがここにあると思います。
自らの心の平和が、周囲の平和、そして世界の平和につながり自然とも融合出来ることを信じて行きたい。

人間として又、日本人としてどう生きるか?を自らの人生で教えて下さった中村哲先生を誇りに思い、心から感謝申し上げます。