中村哲医師講演会 ―いま「平和を考える」-  その1

9月5日、八女市民会館「おりなす八女」での中村哲先生の講演会に行ってきました。

福岡出身の医師で現在69歳。小柄でにこにこされていて気負いを感じさせない、素敵な先生です。
日本では八女郡広川町の馬場病院の副院長もされていたそうで、驚きつつ身近に感じました。
30年以上にわたりアフガニスタン地域の医療や用水路建設に携わってこられた中村哲先生。
現地での映像を交えながらのお話は示唆に富み、「平和とは何か」をあらためて考える時間でした。

パキスタン北部のペシャワールで、ハンセン病医療活動に取り組まれていた31年前。

紛争(内戦)続きの隣国アフガニスタンから戦火を逃れてきた難民の治療も行い、次第に国境を越えてアフガンでも医療活動を広げ、15年の間に一つの基地病院と10か所の診療所を開設されました。

内戦による治安悪化に加え、2000年、アフガニスタンは未曽有の大干ばつに襲われます。農業で生計を立てている国が農地は荒れ果て家畜も死に、村が丸ごと難民化し、生存そのものが危うい事態に!水不足のため感染症が広まり、体力のない子供たちの命が次々に失われて行きました。

この大きな被害に直面した先生は「飢えと渇きは薬では治せない、百の診療所より1本の用水路を」と決意し、大変な苦労を伴いながらもアフガンの村々に1600本もの井戸を掘り、用水路の整備をして行かれたのです。

干ばつで干上がり砂漠化していた土地が、今では緑生い茂る森となり、みずみずしく潤っています。

その2へ続く