「茶人の正月」――― 炉開きを迎えて

11月は炉開きや口切りなどのお茶の行事が相次ぎ、茶道を嗜む者にとって「茶人の正月」と呼ばれる特別な月といわれます。

私が通っている裏千家のお教室でも今月から炉のお稽古になりました。

襖もきちんと閉めてのお稽古になるので、炉の季節感をあらためて感じます。

炉と風炉の違いは・・・

寒い季節にはお客様に炭を近づけ(炉)、暖かい季節にはお客様から炭を遠ざける(風炉)。

すなわち、お客様へのもてなしの心遣いの違い。

私は以前このことを聞いただけでも「素敵だな~」と感心したものです。

茶道はおもてなしの心。

一杯のお茶を差し上げる。

ただそれだけのことであり、それを含んだすべてのことなのです。

炉を開く時期は玄猪(旧暦亥の月亥の日)にと言われます。

亥は五行で言えば水にあたり、炉を開き火を使う炉開きを水の日に行うことで“火伏せ(火災の厄除け)”の意味があるそうです。

これから立春までの間、日本各地で火祭りの行事が多く行われますが、これもやはり水気が回っているこの時期だからこそ。

茶の湯も知れば知るほど、陰陽五行と深く結びついていて面白い!

まだまだ序の口の私ですが、これからも少しずつ紐解いて行きたいと思います。